ハードディスク注意表示が始まり!起動ディスク・データディスク換装とSSD温度上昇対策

ハードディスク注意表示が始まり!起動ディスク・データディスク換装とSSD温度上昇対策
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ハードディスクの健康状態チェック

ハードディスクにはS.M.A.R.T(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)という自己診断機能が組み込まれていて、その情報からハードディスクの障害・故障などの早期発見や予測ができるようになっています。

WebDream.jpではこの機能をもとにパソコンの重要な記憶装置であるハードディスクの状態をチェックする、フリーのソフトウェアCrystalDiskInfo(クリスタルディスクインフォ)を使っています。

窓の杜(WINDOWS FOREST)CrystalDiskInfo ダウンロードイメージ

出典:窓の杜 WINDOWS FOREST CrystalDiskInfo
URL:https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/crdiskinfo/

Windows上でハードディスクの読み取りエラーの発生率や、異常セクター数、温度・電源投入回数・使用時間など様々な情報を見ることができます。

先日使用しているパソコンのHDDをチェックすると、健康状態に【注意】と表示されてしまいました。

ハードディスク換装準備

使用しているデスクトップはWindowsの起動用SATA M.2 256GB SSDと、データ保存用として2TB HDDが搭載された2ドライブ構成となっています。

データは該当ハードディスクだけではなく外付けのハードディスクとクラウド上にも保存していることもあり、早急にデータのバックアップを取らなければならないといった状況にならなかったのは助かりました。

今回表示された【注意】の健康状態ですが、これは直ちにデータが読めなくなるといった状況ではないものの、それなりに使用年月が経過していることもあり、ハードディスクを交換することにしました。

起動用のM.2が最新規格のNVMeタイプであれば大容量かつ高速M.2 SSDに換装したかったのですが、SATAタイプだったので悩んでしまいました。

起動用のSATA M.2 SSDは空き容量も少なくなっていることもあり、色々考えた末そのまま利用するのではなく取り外すことにしました。

ノートPCの換装用に以前購入していたものの、結局換装せず使っていなかったSATAの2.5インチSSDが手元にあったこともあり、M.2 SSDより若干遅くなりますが起動用としてSATAの2.5インチ SSDを搭載し、データ保存用のHDDを交換するという2ドライブ構成と決めました。

起動用SATA 2.5インチ SSD

起動用のディスクとしてADATA SU630 480GBを使用することにしました。このSSDは以前購入していたもので、動作確認のみ行ったSSDです。

ADATA SU630 480GB SATA SSD
撮影:WebDream

容量は480GBで、読み出し速度520MB/s 書き込み速度450MB/sと標準的なSSDです。サイズ2.5インチHDD互換で厚さは7mmです。本体のベース側は金属製で、写真のように製品名のシールが貼ってある表側のカバーはプラスチックです。

2.5インチ ADATA SSD

ADATA 2.5インチ 内蔵SSD 480GB SU630シリーズ
3D NAND QLC搭載 SMIコントローラー 7mm ASU630SS-480GQ-R

この2.5インチSSDをパソコン内の3.5インチベイに取り付けるため、2.5インチ3.5インチ変換ブラケットを購入しました。

2.5インチSSD/HDD変換マウンタとSSD
撮影:WebDream

3.5インチベイ変換マウンタ

今回購入したのは3.5インチベイに2.5インチ機器を1台取り付けることができる、ainexの2.5インチSSD/HDD変換マウンタ HDM-29です。
2.5インチSSD/HDDを取り付けねじと絶縁ワッシャーと3.5インチベイ取付用のねじも付属しています。
SSD/HDDを取り付ける部分にスリットが大きく空いています。

データ用 2TB HDD

データ用HDDは今回WD(ウェスタンデジタル)のBLUEシリーズでもよかったのですが、REDシリーズにしました。

購入 WD Red Plus 2TB HDD (WD20EFZX)
撮影:WebDream

NAS用のHDDでREDシリーズを使ったことがあり、24時間電源ONの状態でずっと使っていて不具合等がなかった経験があったからです。

購入HDD WD Red Plus

購入したのはホームから中小規模オフィスのNASシステム向けとして販売されているWD RED Plus 2TB WD20EFZX です。
4TBも考えましたがクラウドとの兼ね合いなども考え容量は2TBとしました。
今は4TBや8TBのほうがコストパフォーマンスがいいかもしれません。

クローンorクリーンインストール

クローンHDDスタンドがあるので、M.2 SSDから 2.5インチSSDへのクローン処理も考えましたが今回はWindows10のクリーンインストールを行うことにしました。

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インストールしたものの使っていないプログラムが多数あることや、利用しないデータ等もあるでしょうから使うプログラムのセットアップは必要となりますが整理もかねて処理します。

設定用の部材がそろったので、パソコンパネルを開けてM.2 SSDを取り外し、2.5インチSSDを取り付けました。

変換マウンタにSSD取付
撮影:WebDream

データ用のHDDについてはDドライブとして認識させるため、はじめは電源をつながずSSDだけでセットアップを進めることにし、SSDへのWindows10クリーンインストールを終え、初期セットアップとWindows Updateを行いました。

一通りUpdateが済んだところで、データ用のHDDのケーブルを接続しフォーマットを実行しDドライブと設定しました。

左:起動用SSD 右:データ用HDD
撮影:WebDream

あとは必要なアプリケーションとして、Word・Excelといったオフィス系のソフト、画像処理ソフト、そのほかユーティリティを一通りインストールして終了です。

SSDとHDDの健康状態チェック

確認に使っただけのSSDと購入したばかりのHDDなので特に問題ないはずですが、CrystalDiskInfoを実行して状態を確認してみます。

WDの2TB HDDの温度は30度と表示され、特に問題ありません。

一方SSDはというと温度が57度と表示され、その後ブラウザやアプリケーションを複数起動するなど触っていたらなんと60度オーバーとなり、健康状態は正常ではあるものの温度アラートがなりました。

SSDの動作温度は0度から70度なので、すぐに問題があるわけではないと思いますが、60度超えはちょっと気になります。

データ処理が集中した際にSSD内のチップが発熱しているはずなので、冷却ファンでSSD全体を冷やすかチップ自体の放熱性を高めることで解消できるではと考えました。

SU630 480GB カバーを開けた状態
撮影:WebDream

SU630 480GB SSDの上部カバーを外してみました。全体はツメで引っかかっているだけで、すきまに薄いツールを注意深く挿しながら開けることができました。

内部構造はとても単純です。このSSDでは基盤は固定されておらず、金属ケースから出ている突起に差し込まれているという状態でした。

SU630 480GB SSD プラスチックカバー
撮影:WebDream

2.5インチHDD大ですが、中身は半分にも満たない基盤なのでこの大きさがなくてもよさそうですが、従来の2.5インチHDDの取付ねじの位置を考えこの大きさになっているようです。

メモリチップとコントローラーチップ側
撮影:WebDream
シール下にメモリチップ
撮影:WebDream

裏表にチップが実装されていてシールの下にも記憶チップ、そして端子に近いものはコントローラーでしょう。

内部放熱性をよくするために熱伝導シリコンシートをまずは貼ってみることにしました。

熱伝導シリコンシート

SWEETECH 熱伝導12シート入
各厚さの4シート、3種類の厚さ0.5 / 1.0/ 1.5mm
チップの高さとケースとの間隔がわからなかったため、厚み違いがあるものを購入しました。

SSDのカバーを開け処理をするので保証外となります。真似をされる場合は自己責任でお願いします。

全体にまとめて貼るよりも分けたほうが良いかと思ってチップ大にシートを切って貼っています。金属面との隙間が違うので厚みを変えて貼っています。

メモリチップにシリコンシート貼りつけ
撮影:WebDream
シリコンシート コントローラーチップ貼りつけ前
撮影:WebDream
カバー側 メモリチップ上シート貼りつけ
撮影:WebDream

裏面は記憶チップのみなのでこちらにもシリコンシートを貼りました。

シリコンシートを貼った状態で再度パソコンに取り付けてCrystalDiskInfoでチェックしてみると、54度に下がっています。

シートを貼ることでそれなりの効果は出ていますが、もうちょっと下げたいと思ってしまい、何か方法がないかと考えることとなりました。

放熱用シリコーン(参考)

サンハヤト 1液型室温硬化タイプ固まる放熱用シリコン SCV22
熱伝導性の高いペースト状のものもあるのですが、金属面とプラスチック面に接着できればと思った第1の案です。
今回は使用していませんがこのシリコーンでベースの金属部、プラスチックカバーに密着させることで放熱性を上げることができたかもしれません。

接着してしまうとあとが大変だと思い、取り付けているプレート部分を放熱性の高いものに変えればよいのではと考えなおしました。
2.5インチ3.5インチ変換できるものでアルミ製のものがないか探すことにしました。

HDM-11 SSD/HDD変換マウンタ
撮影:WebDream

アルミ製3.5インチベイマウンタ

アイネックス SSD/HDD変換マウンタ 2台用 HDM-11
2台の2.5インチSSD/HDDを3.5インチベイに固定できるアルミニウム製のマウンタです。

上記画像では熱伝導シートのカバーをはがしています。シート自体は粘着性などはないため、SSDは付属のねじで固定しています。

SDDをHDM-11に取り付け
撮影:WebDream

アルミ製マウンタにSSDを取り付けて、パソコンに搭載し再度CrystalDiskInfoで確認してみました。

データ処理が集中したときは55度に上がったもののそのあとは48度となり、50度を切った状態で動作するようになりました。この状態でしばらく使ってみようと思います。

まとめ

SSD自体の構造が全体が金属タイプに変更したらどうなるか、またSSDに冷却ファンをつけてみてはどうかなどとほかにも色々手法がありそうです。

アルミタイプのマウンタに変更して数日使っていますが、ブラウザを複数起動し動画再生など実行すると負荷がかかるのか55度あたりまで温度が上昇するようです。

しかししばらくすると50度あたりまで温度が下がり、落ち着くと48度、47度といった温度で動いています。
ハードディスクの健康状態チェックから始まったHDD換装がなぜかSSDの温度対策へとなりましたが、なかなかおもしろい結果が得られたと思います。

必要なパーツをネットで簡単に探すことができ購入できる点もよいものだと思ったところです。

 

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