レジのジャーナルから売上集計表をエクセルで作成したい!集計の考え方や注意点Vol.3

レジのジャーナルから売上集計表をエクセルで作成したい!集計の考え方や注意点Vol.3
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ジャーナル情報入力のルール化

ジャーナル情報から1か月分の集計表を作成するサポートで、日毎の売り上げ金額の合計や、現金残高の計算、部門毎の1か月分の総売り上げや来客人数を求める計算しました。

1か月分の情報を入力し計算するだけの集計表であれば、最初に確認した売上集計表の状態で金額は求めることができているので良いのかもしれませんが、今後集計していく月数が増えることやエクセルの機能を効率的に使うことを考え、計算するセルの範囲の統一や式の統一していくことが大切だと説明をしてきました。

現在の3か月分に加え4月、5月・・・と集計表が増えていくことに備え、ジャーナル情報の集計表への入力ルールを考えたいと思います。入力のルール化に伴い当月の営業日数も計数する方法も追加します。

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Vol.1のサポートでは部門1から部門12と、総売り上げ、割引・電子決済・現金・人数の平均を求める計算で、集計表の中に営業日数を表すセルがなかったこともあり、直接 25 という営業日数で除算するという数式を入力しました。

集計表のどこかに営業日数を数えて25日間だということを入力し、その日数でそれぞれの合計を除算するという方法も考えられますが、せっかくなのでエクセルの機能、つまりは関数を用いて営業日数を求めたいのです。

店休日は金額・人数を入力しない

店舗が休業日の場合に部門毎の売り上げ金額・割引・電子決済・人数の列に、数値として0が入力されていました。

確かに売り上げは0ですし、来客人数も0なので間違った入力ではないのですが、入力のは営業日にもかかわらず売上が0なのか、お休みで0なのか判断できません。

営業日と店休日とを明確に分けるために、店休日のジャーナルの情報入力時に、「金額の入力は行わず空白のままとする(0数値入力をしない、文字列も入力しない)」とルールを定めたいと思います。

合計や現金残高といった計算で求めるセルに対しても0が入力されていたので、計算で求めるセルに対しては0を入力するのではなく合計を計算するように計算式を入力するように変更します。

集計シートの1月分を確認すると0が入力されている1日・2日・6日・14日・20日・27日は店休日と考えられるので、部門1から部門12、割引・電子決済・人数のセルに何も入れない空白状態とします。

合計・現金・累計列は共通化した合計を求める計算式式を入力、合計・現金ともに0となり、累計金額は前日と同額の金額が表示されます。

店休日の金額・人数は削除 計算セルは残す

合計金額0や累計金額が表示されていても計算で求めた結果が表示されている部分は数式を消すことなく残しています。これは1月分のシートを使って次月用を作成する際に活用することを考えています。

このように定めたルールに従い、店休日には該当する金額・人数セルには入力しないで空白状態態にすることで、部門ごとの売り上げ金額・来店人数のセルについて営業日と店休日を判断しやすくなります。

このルール化は1例で、店休日は情報を入力しないとしましたが、日付か曜日列の隣に別途店休日がわかるように【休】といった文字列を入力するとかで識別する等他にも識別する方法はあると思います。

人数列を使って営業日数を求める

エクセルの COUNT() 関数は引数に、数値の個数を数えたいセルの範囲を指定することで、その指定範囲に存在する数値の個数を数えてくれる関数です。

このCOUNT() 関数を使って、人数が入力されているセル:営業日、セルが空白:店休日とルール化によって分かれた T列:人数 の部分で営業日数を計数します。

ルール化により部門・割引・電子決済の列いずれにおいても求めることができますが、今回は右端列に位置する人数列で計算したいと思います。

営業日数を計算する式をU33セルで計算します =COUNT(T3:T33)

上記式は 「T3のセルからT33のセルの範囲において、セル内に数値が入力されている個数を求めてください」という意味になります。

COUNT()関数入力

COUNT()関数を使うときに、数値を数えようとしているのセルの範囲はどこなのかを意識して使うようにしてください。

セル内の情報とは

セル内の状態は大きく3つにわけられます。

  1. 何も入力されていない空白の状態
  2. 数値が入力されている状態
  3. 文字列が入力されている状態

ルール化により人数の列では、営業日は人数が入力され店休日はセルが空白なので、営業日数として数えるのは人数の数値が入力されたセルとなります。

計算の結果は25という値が求められます。この求めた値を営業日数として平均を求める計算を行います

部門1での営業日平均は=C34/U33 (部門1の1か月分の合計を今回求めた営業日数で除算する)

と、入力しセルのフィルハンドルをドラッグしてコピーしてしまうと、コピーの時に割り算の除数のセルの位置がずれてしまい正しく計算されません。今回営業日数を求めたのはU33セル1か所ということで、除数となるセルの位置参照を固定する必要があります。

=C34/$U$33 (部門1の1か月分の合計を今回求めた営業日数のセルの参照を固定して除算する)

部門1の合計を求めた営業日数で除算する

数式内で除数となるU33の参照方法を絶対参照で入力し、フィルハンドルでドラッグし数式コピーで求めることができます。

計算式を入力しフィルハンドルでドラッグ

営業日数セルを使わずに計算

営業日数を表すセルを別途設けた上で計算しましたが、平均を求めるセル内でCOUNT()関数を使い計算することも可能です。

=C34/COUNT(T3:T33) で計算できますがこのままでは不十分で、数式をコピーすることを考慮し、
=C34/COUNT($T$3:$T$33) と、人数列の数値の個数を計算するセルの範囲を絶対参照する必要があります。

このように入力して計算しても同じ結果を得ることができます。営業日数を可視化するか数式内に入れてしまうかは選べますが、可視化しておいたほうが見た目としてはわかりやすいと思います。

次月分シートの準備

1月のシートで行った計算式の設定や、店休日識別のためのルール化に則り入力された0の削除、営業日数の算出といった処理を2月と3月のシートにも行います。

2月分シート確認

2月分をみてみます。2月1日はお休みだったのでしょうか、すべて空白になっていました。ただ7日と21日がお休みだったのか0が入力されています。何も入力しない場合と0を入力している場合のようにいわゆる入力の「ゆらぎ」は気になるところです。

2月分シートチェック時気になるところに薄く色付け

累計のセルは1日毎に計算式を入力していたようで、合計は部門の縦方向の合計となっていますが2月1日のセルが除外されていました。

平均は合計の金額を25で除算するという数式が部門ごとに入力していたようで結果は間違いではないのですが、この31行目での部門1から部門12の合計計算は縦方向のセルの範囲で計算しているのに、O列の合計だけ、部門1から部門12の合計を横方向に合計した計算式になっているため縦方向で計算するのか、横方向で計算するのかの相違をエクセルがチェックして注意を促しています。

いわゆる合計の合計は縦方向で合計しても横方向で合計しても同一の結果となりますが、1月の集計表での計算と2月シートでの計算が異なることは避けたいところです。統一化を図る意味で同じ縦方向での合計をする計算で求めたいと思います。

計算式を入力する際に2月1日から28日までの計算を行うように変更します。また店休日にあたる部門の金額等はすべて削除し空白状態に整えていきます。

3月分シート確認

3月のシートのQ34セルにエラーインジケーターがありました。確認すると、3月1日の電子決済の金額セルが合計範囲に含まれていませんでした。

3月分シートチェック時気になるところに薄く色付け

また電子決済の平均の計算が間違っています、入力の時に直接合計金額を入力したため正しい計算が行われていません。部門3と現金の平均も同じ誤りです。

平均を求めるときに1か所ずつ金額を直接入力して除算したことに起因する計算間違いです。数式を整えて式の統一化を図ることの重要性がより認識いただけるかと思います。

作表した際にエラーインジケーターを目にしたときにはなぜ表示されているのかを確認したうえで処理を進めるようにしてください。

エラーインジケーターが表示されたからと言ってすべてが間違っているというわけではありませんが、確認が大事です。

2月と3月のシートについてルール化に則った修正と合計・平均の計算式を入力したデータを確認できるように準備しました。

大の月と小の月

2025年2月は28日までです。そこで28日までの日付と曜日を入力し作表したと考えられ、合計を計算しているのは31行目、平均は32行目となっています。

3月は31日までなので31日分なので1月と同じく合計は34行目、平均は35行目となっています。そして4月を準備する際に30日までだからと30日分日付の入力で作成してしまうと合計が33行目、平均が34行目になると予想されます。

大の月と小の月が存在するので、月ごとに日数に合わせて行数を整えて作ること自体は間違いではなく、月ごとの集計表を作表し、それを印刷して残しておくといった目的であれば自然な処理だと思います。

ただ一方で、エクセルで処理を考える場合には月ごとに日数を変更しなくても、すべての月を31日分までの行数で準備しておき、月に合わせて日付を28日まで、30日までやうるう年の29日までのように表示上のルールを整えれば共通化できるのではないでしょうか。

小の月の31日にあたる行は空白としておく、2月は29日30日31日にあたる部分、うるう年の2月は30日と31日の金額入力部を空白にしておくようにすれば月のシートを追加するときに日数に合わせて行数を変更するといった手間をかけずに済みます。

また、1年を通して合計を求めるような串刺し合計といった際に、合計のセルの位置が同一行になることで計算しやすくなります。

見た目を整えることも大事ですが、計算しやすい状態を整えることを考えることがエクセルを使う上で重要になってきます。数式の統一を図ったこと、共通化しかつルールを定めることなどを考慮しながらエクセルを使うように心がけていただければと思います。

まとめ

ジャーナル情報の集計表への入力する際のルール化を行って、シートによって入力の揺らぎが無いように調整を行いました。

また合計・平均・累計といった計算を行う場面でも、一つずつ入力するのではなく、数式を1か所入力しその数式をコピーするといった統一化することが大事だとお伝えしたところです。

次は4月の情報がシートに入力された時点で再度確認とサポートを行う予定です。数式の入力に留意し、店休日のルール化など今後気を付けていただければ、正しく計算された集計表を作成することができると思います。

今回も前回と同様数式の組み立て方や、数式コピーについては様々な方法があり、今回のサポートではエクセルの使い方の一例としてお伝えしている点はご了承ください。

1年分のシートが全て入力されたら年間売上集計や、前年の情報も入力していくことで前年同月比といった計算もできるようになります。

日付列には1,2,3,・・・,28,29,30,31といった単純な数値が入力され、その右隣りの曜日の列には日、月、火、水、木、金、土といった7曜が直接入力されています。

今回ここには特に触れずにサポートしたのですが、年と月、日という日ごとの情報を入力する集計表なので日付関数と書式設定等を使った処理を別途行いたいと思っています。

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